奈良市美術館

第42回 市展なら 〈終了〉

 

 


2024年2月14日㊌➨2月25日㊐

10:00-17:30(入館は17:00まで)
【休館日】2月19日㊊ 
【作品点数】163点(入選作品)

入場無料ー


 

第42回奈良市美術展覧会-市展なら- 開催にあたって - 奈良市長 仲川げん

 本日は『市展なら』にお越しいただき、誠にありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症の流行により、制限をかけて開催しておりましたが、42回目となる今年は、対面による作品解説を再開し展覧会を開催することができるようになりました。

本展覧会は、創作活動の発表の場としての役割を担うだけではなく、市民が気軽に幅広いジャンルの優れた芸術に触れることができる機会を提供しております。

今回の展覧会では日本画・洋画・彫刻・工芸・書・写真の6部門271点の応募作品から163点が入選されました。いずれも創意工夫をこらした力作ばかりです。ご来場の皆様におかれましてはじっくりご鑑賞いただき、美術への関心をより一層深めていただければ大変嬉しく存じます。

結びとなりますが、本展覧会が地域に根差した公募展として芸術文化の更なる発展に繋がりますことを祈念し、ご挨拶といたします。

 

 

 
各部門講評
 

 

日本画

<鑑審査員> 髙田 操子、渡辺 章雄、岡川 孔

 今年も意欲のある作品が多くあり、気を引き締めて審査をさせていただきました。絵を描くという事は、楽しい事もあり反面難しい事でもあります。絵を描くにあたっては、自分の描こうとする事をどのように表現するか難しいところです。今回入選、入賞された作品は、写生、構図、彩色などの技工等がうまく考えられて制作された作品で、かつ、自分自身がうったえようとする意図が画面から出てくる作品でした。今回入選、入賞された方は、これを機に益々精進され、更なる素晴らしい作品を制作されることを願っております。

 

 

洋画

<鑑審査員> 鮎川 功、岡田 俊一、岡﨑 浩

  今年で42回になる「市展なら」の出品作品も回を重ねるごとに絵の質が向上しています。構図、技法や材料、色彩の構成を工夫して、作者の思いがストレートに表現された作品や、絵を描く喜びにあふれた作品が多いことも嬉しく感じました。絵は自由であると言っても、そこには、基礎的な表現力・構成と調和が必要になってきます。来年も、自分の表現にチャレンジして、創造力に満ちた作品を出品してください。楽しみにしています。

 

 

彫刻

<鑑審査員> 石増 敏枝、杉村 仁

 審査は作者名を伏せ、すべて作品本位で投票により厳正公平に行いました。入賞をのがした作品の中にも大変おしい作がありましたが搬入点数などを総合的に判断し奨励賞なしとさせていただきました。審査担当の胸中も大変苦しい所でした。いずれの入選作品も技術的確かさと作品にかけておられる時間、ご苦労を高く評価できる優秀なものと感じ入りました。例年講評にきますが、紙、段ポール、布などのソフトな素材も使われる事を期待いたします。ここ数年の傾向として人体を正面においた作品が少なく、その点も少し気がかりです。

 

 

工芸

<鑑審査員> 豊住 和廣、新倉 晴比古

 ここ数年毎回審査しておりますが、今年も出展数の減少もあり、入選作品を決めるのに苦労しました。工部品として入選に値いするものか、粗雑さが気になる作品が多く感じます。入選した作品に関しましては少からず、独創的で楽しく感じる作品と、しっかりした技術を見せている作品を選びました。

 

 

<鑑審査員> 山本 高邨、北山 転石、喜多 芳邑

 充実した展覧会になりました。壁面等の関係で約二十点弱の作品を不出品にしなければならなく、査員三人が意見を出し合い、上位の賞も決まりホッとしました。又来年に向け「書」を大切にする日常を送ってください。

 

 

写真

<鑑審査員> 久保田 秀典、大西 としや、𠮷川 直哉

 昨年、写真関速で、世間を賑わせたのはAIで写真が一から創れること。とうとう、加工ではなく創造まで可能になりました。正にデジタルならではです。写真は”真を写す”がスタートでしたが、作家が作品を創るには、フィルムの頃から多重露出や焼き込み、覆い焼き等のテクニックは使われていて、著名な写真家もそんなテクニックを使われている方も沢山おられます。今年はそれに伴った訳では無いでしょうが実験的な作品が増えたように思います。応募年齢層は年配の方が多いですが新しい事にチャレンジされている方が多いのは婚しい事です。市展ならでは今年から組写真の応募も可能にしました。単写真では表現出来ない作品の奥行きを考えてくださる事はご自分の数現力の向上に繋がっていくと思います。奈良らしい地元にちなんだ風景写真も当然続けて頂きたいですが、新しいテクニックに目をつぶる事無く、でも流される事無く、作品作りを続けてください。今後とも良い作品を見せて頂けるのが楽しみです。

 



市展賞受賞作品ー

 

-日本画部門-

「獅子奮迅」高橋 洲

-洋画部門-

「お帰りなさい」日比野豊

-彫刻部門-

「早天慈雨」松石幸栄

 

-工芸部門-

「蒔絵小鼓胴 待ち望む」小西 紅音

-書部門-

「平家物語」 森島和子

-写真部門-

「荒涼」岡崎 大治郎

 

【問合せ先】奈良市美術館 0742-30-1510