奈良市美術館

妖怪POP 妖怪書家 逢香展(実習生 T・Y)

私のお薦め作品
「心の手綱」


 江戸時代に描かれた絵を現代版にリメイクした作品。人間の「心」が「目」「口」「耳」「鼻」「手」「足」の人間の器官に手綱を付け、言うことを聞かせており、それを人間の「気」が心配している様子が描かれている。
「心」「気」と6つの器官は擬人化され、6つの器官の顔はそれぞれ絵で表現されている。彼らが着ている着物にも工夫があり、例えば「鼻」は鼻の柄が描かれた着物を着ており「花柄」と「鼻柄」をかけていることが分かるなど細かいところにまで遊び心が感じられる。
彼らのセリフにも注目すると「目」はスマホ、「耳」はイヤホンなど現代に生きる私たちのよく行う行動について嘆いており、もしかしたら私たちの器官もこう思っているかもしれないと想像力を働かせてくれる作品である。


心の手綱/2021